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~現在~
そういえば健康診断なんて言ってましたね!
なんて事をしてしまったんだ。
これじゃ自分から女であることをバラしに来たようなものじゃないか!
(なぁ、瑞樹)
後ろから渋木雷斗がヒソヒソ話し掛けてくる。
(なに?)
(お前、風邪でもひいた?)
(なんで?)
(声がいつもより高くて女みたいだぞ)
「ぐふっ!」
『早乙女くん?どうしたの?』
「いえ、なんでもないです!」
あまりに雷斗がストレートに聞いてくるから、かなりびっくりしてしまった。
(まったく、雷斗は冗談が好きだなぁ)
(いや、今日は本気で女に見えるんだけど…)
雷斗がまだぶつぶつ言ってるけど、この際シカトに専念しよう。
『早乙女くん、どうぞ』
う、ついにこの時が……。
仕方がないのでとりあえず保健室の中へ。
入ると、そこにはいかにも変態ちっくな顔をしたオッサンが座っていて、若めの看護婦さんが立っていた。
「どうぞ、この椅子に座ってください」
看護婦さんが、オッサンの前にある椅子を勧めてくる。
「し、失礼します」
ここまで来て帰るわけにも行かないので、座る。
こうなったら、胸に聴診器を当てられない事を祈るしかない……!
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