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『以上デゴザイマふぅ…』
余程緊張したのか終始片言な自己紹介を終えた、俺の前の席に陣取った小林君が教壇から戻ってくる。
次は俺の番というわけだな……。
これから一年間付き合っていくクラスメートの顔でも拝見してくるか。
「えーじゃあ次は……早乙女…君?さん?ちゃん?」
落ち着け先生。
「あ、俺男です先生」
言いながら教壇に立つ。
すると、
「俺は…」
『『『可愛い!!』』』
「…………へ?」
今までのクラスの自己紹介でも「可愛い!」とか言われることはあったけど、
『なんだあの学ランが似合わなすぎる男の子は!?』
『いや、学ランっつーのも逆にアリ…!?』
『あたしより可愛い!?ちょっと、可愛くなるコツを教えてよ!』
『コノ世ニ生マレテヨカッタナー』
流石にクラスのほぼ全員から言われるのは初めてだ!
「おーい瑞樹ー?そんな冷たい目してないで、自己紹介してよ」
ハッ!渚ありがとう!
喋ったこともないクラスメートに冷たい視線を送っていたのに気づかなかった。
「えーと…俺の名前は早乙女瑞樹で…」
『名前も可愛い!』
『神の創りだした奇跡やで!』
「好きな動物は猫…」
『はぅ…!』
『あぁっ!夏子が倒れた!どうしたの!?』
『つい瑞樹きゅんが家で猫と戯れてるのを想像しちゃって……』
『『はぅ……』』
「好きな食べ物はチョコレー…」
『瑞樹たん!ボクのチョコレート食べる!?』
『いやいや俺のをぜひ!』
『いや俺のチョコバナナを…』
『斉藤ォォ!それ以上言ったらアカン!!』
…我ながら、人間兵器だな俺。
しかし男の性的意欲を活性化させる男って、どう思います?
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