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「いやー凄いな瑞樹、この猫グッズとチョコレートの量」
「雷斗、チョコ食べる…?」
「ウチにもちょーだい!」
放課後。
例の自己紹介コーナーが終わった直後、クラスのほぼ全員が次のHRをサボり、30分くらいで帰ってきたかと思えば、
『瑞樹君、うけとってください!』
『早乙女、俺からの贈り物だ』
『別にお前の為というわけではなくてだな……!』
俺の机に積み重なるチョコと猫グッズ。
こんなことが現実で起こっていいのか?
小説とか漫画の世界でやってくれ。
「…ってか瑞樹、お前大丈夫か?」
「なにが?」
チョコをバリンッ!と喰いながら雷斗が聞いてくる。
「いやさ、お前たしか一年の頃に、「俺…女の子って言われると死にたくなるんだ」って言ってたじゃん」
「そうなの瑞樹!?ごめんね?ウチ知らなくて…」
「勝手に人の過去を捏造するな!!」
でも、
雷斗の言うことも全部が違うと言うわけじゃなかった。
実際に俺は「女っぽい」と言われるのが嫌いだ。
なぜなら……
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