7人が本棚に入れています
本棚に追加
「ごめん。みんな」
イエローがいきなりそう呟いた。
見ると珍しくうなだれて元気の無いイエローの姿がいた。
沈黙の中口を開いたのはレッド。
「どうした?なんだ、また便秘か?辛いなら出撃しなくても大丈夫だぞ」
「いや、それは大丈夫」
「いやいや。便秘は辛いだろ。便秘なら休んだ方が絶対にいいって」
「いや、あのさレッド。俺別に今回は便秘じゃないからね!!俺がいつも便秘で休んでる的なこと言うなよ!」
「む、そうなのか」
ブルーが「つーかお前ら便秘便秘うるせーよ!!」と叫ぼうとしたその瞬間、
ビービービービー
決して狭いとは言えない部屋の中に電子音が響いた。
「博士からだ。行くぞ」
町に怪物が出たらしい。
みんな急いで部屋を出て行った。
オレもみんなに従うように部屋を出る。
この戦いがイエローと一緒に戦った最後の戦いになり、これがすべての始まりであるということも知らずに。
×××
「あれ?ホワイトは?」
時間になってもホワイトが来ない。
それに対してレッドが応えた。
「ブラックには言ってなかったっけか」
何を?
頭の中に沢山の疑問符を浮かべるオレにブルーが言った。
「ホワイトはな、辞めたんだよ。かれこれ二日前くらいになるか。博士のとこに辞表出しに行ってた」
話すブルーを見てオレは思った。
少し前からブルーが落ち込んだように見えていたのはこのせいか。
だが、今日のブルーは何か吹っ切れたような爽やかな顔をしている。
まさか・・・!?
「実は、今日で俺も辞めるんだ」
オレの中の嫌な予感は見事に的中した。
最初のコメントを投稿しよう!