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いつの間にかオレ達は、五人から二人になっていた。
つまり、レッドとブラックの二人だけ。
これから大丈夫なのだろうか、と悩んでいたら珍しく博士から普通の呼び出しがきた。
「博士、何かあったんですか?」
オレが博士に尋ねると、博士は外を見ていた視線を外しくるりとこちらを向く。
そんな博士が顔に苦悶の表情を浮かべ、こちらを見てくる。
「ブラック・・・非常に言いにくいのだが」
博士が言いよどむ。
嫌な予感が、嫌な確信が胸中にじわじわと広がって行く。
そして博士はオレの中の不安を、現実のモノとして紡ぎ出した。
「・・・本日をもって、我が部隊は解散となった」
そんな!
なんで!!
「今朝、レッドから辞めると電話がきてね。弟とは戦えない、と。それに、君だけじゃさすがに部隊としては戦えないんだ」
オレはアタッカーというよりディフェンスの役割が多かった。
確かにオレだけでは戦えない。
でも・・・!
「また、隊員を集めればいいじゃないですか!」
オレのその言葉に博士は首を横に振った。
「無理だ」
「なんでですか」
「スポンサーが、倒産したんだよ。それに、この地区には他にも正義の味方がいる。私達が消えても大丈夫なくらいに強い人達がね」
博士はこれで全て終わりだ、と言って話を打ち切った。
オレは職無しになったことにショックでふらふらと部屋を出て行こうとした時、博士に呼び止められ紙切れを渡された。
「一人でも正義の味方をしたいと思うならそこに行ってみなさい」
そう言った博士の顔には気遣うような微笑みが浮かべられていた。
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