もう一つの正義の味方

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オレは今一人で戦場に立っている。 周りには大小様々な爆撃音が響き渡り、そこら中で激しい戦闘が繰り広げられていた。 その中にオレは一人立ち尽くしている。 何故か? そんなことは分かっている。 オレが一人で戦場に立っている理由、それは、 仮面ライダー に転職したからだ。 今の名前は 仮面ライダー グラファイト。 ちなみにグラファイトの意味は黒色という意味。 だから結局名前は前と対して変わらない。 「はぁ」 激しい戦場で溜め息を吐くオレにも関係なく下級戦闘員達は襲いかかってくる。 ガキッ キン ガッ ガッ しかし、下級戦闘員達の攻撃は届かない。 彼はレンジャーの中では防御に特化していた。 元ブラック―現グラファイトは周りの爆撃や自分に向けて放たれる様々な攻撃を無視してだらだらと歩を進める。 どこに? ここを仕切っている怪人に向かって、だ。 怪人を倒せば下級戦闘員達も帰って行く。 それがセオリーというものだ。 「あ、いたいた」 下級戦闘員達がわらわらと出て来る場所に向かって行くとそれを仕切っているらしい怪人の姿が見えた。 次いで怪人もこの戦場で浮いた存在であるオレに気が付いたようだ。 「お、お前は!」 何故か怪人はオレの顔を見て驚きの声を上げる。 オレも最近まで仲間だった奴の気配がしてたから変に感じていたのだが、 こういうことか。 「ブラック!?いや、黒識(クロシキ)何故お前がここにいるんだ!」 「何故って、正義の味方だからですよ」 そう、オレは仮面ライダーだからここにいる。 「だが、レンジャーは解散したはずじゃ・・・?」 未だ変身すらしていないオレの姿に怪訝な顔をする。 「“レンジャー”は解散しましたよ・・・・貴方達が抜けたせいでね」
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