7人が本棚に入れています
本棚に追加
現グラファイトである黒識は怪人とその周りにいる3人の下級戦闘員達に向かって言った。
たじろぐ怪人に黒識は微笑む。
「あぁ、別に責めはしないよ。敵は君らの弱点を突いて来たんだろ?」
オレがそういうと今は敵の四人がビクッと体を強張らせた。
「にしても食べ物につられて入った割には、やっぱり有能なんだね、黄砂(キサ)は。こんなにはやく怪人になれるなんてさ。白麻(シラマ)は金につられ、青世(アオセ)は白麻につられ、赤都(アカツ)は青世につられて・・・今ではオレ以外みんな立派な悪党、ですか」
「そ、それは」
黄砂がいいよどむ。
ちなみに他の三人は喋りたくても下級戦闘員だから「イー!」とか「ヤー!」としか声を発することを許されていない。
喋ると減俸されてしまうのだ。
「まぁ、いいです。オレの長年の夢を潰された苛立ちは今ここで発散させて貰いますから」
「は?お前、何言って」
「別に問題ないでしょう?お前らはオレの敵なんだから」
黒識はどう見ても正義の味方には見えない笑みを口元に浮かべる。
それを見てしまった黄砂達はゾクリと背中に冷たいモノがはしったのを感じた。
「さて、ではいきましょうか」
黒識が体を低くし、戦闘体制に入る。
「え、いや、ちょ、ま、黒識!!つーかお前キャラ変わってね!?」
「そりゃぁ、今まで隠してましたから。本当の性格も、本気の力も、ね」
黄砂がその言葉を聞き終わったと同時に脇から小さな呻き声と、ドサッと倒れる音が聞こえた。
「なっ、赤都!!」
赤都が一応一番強いはずなのに!!と黄砂が思ってる瞬間にも黒識は白麻と青世を倒してしまう。
「ほら、後は貴方だけですよ」
黄砂は初めて見る黒識の鋭い眼光を自らに向けられた時、気づいた。
コイツは俺の手に負える敵ではない。
「くっ・・・」
もう、応援を呼ぶしかない。でも、応援呼ぶと減俸なんだよな・・・・・いや、でもしょうがない!
黄砂は黒識にばれないように応援要請のためのボタンを押した。
最初のコメントを投稿しよう!