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「そう、そうだ・・・こいつは私が黒識様の側にいられないというのに!黒識様と毎日会っていた不届き者がぁっ!!私が黒識様の側にいられなくなってからの数年間、せめて映像だけでも、と権力をフルに使って録り続けた映像に貴様らはこれでもかと写っていたよっ!!それを見るたびどれ程私が嫉妬の炎に焼かれたことか!」
黄砂は現在進行形の状態で総督に嫉妬の炎を宿した瞳で睨まれた。
「引き抜いたのもこれ以上私の黒識様メモリアルを汚さないたっぶごふ」
どごす
黒識は盗撮されていたという事実を知り、総督を思いっ切り殴った。
「なんで・・・オレのことを盗撮してるのかな?オレの許可も無しに!」
「も、申し訳ありません黒識様」
「お前に恍惚顔で言われてもさらにいらつくだけなんだよ!!」
黒識は何かを諦めたかのように片手を額にあて、深く溜息を吐いた。
「もういい」
「え?」
「もういいと言ったんですよ」
「黒識様・・・それは、まさか」
「ここらで全てをリセットしようと思います」
黒識の言葉についていけず黄砂は頭に疑問符を浮かべ呆然としていた。
「オレがつくった悪の組織は一旦解散させて、一から作り直します!!」
「え・・・この組織って黒識がつくったの!?」
「えぇ、そうですよ。昔にね」
黒識は正義の味方らしい微笑みで正義の味方らしくない台詞を放った。
「では、今から組織の解体もとい組織を壊滅させようと思います・・・命を奪わないでやることを光栄に思って下さい」
こうして黒識の黒識による黒識のためにつくられた悪の組織はこの日この時をもって壊滅した。
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