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『現在、ノスギエス刑務所から脱獄した囚人は以前消息が掴めず―』
テレビっぽい機械を眺めながら欠伸をする。
陽炎
「あふ…眠い」
俺は今、高級ホテルに泊まり暇を潰している。
ちなみに宿泊費はケンカを売ってきたチンピラ共から勝ち取った。つまり戦利品だ。
予選通過があっさりと簡単なものだったので…いや、相手が弱すぎ…いや、俺の能力がチート級のせいだからか。
どのカードにも基本、身体能力強化が付与されるので大抵の奴には負けることはないからな。
まあ、そんな俺でも障壁やら瞬動もいまだに出来ないうえにこの世界の魔法も使えないという欠点もある。
陽炎
「暇だなー……………………………。
そうだ、使ってないカードもあるから全部試してみるか」
ということで、街の近くにある森に行き、さっそく試してみる事にした。
陽炎
「んー…どれにしようか……まずは“魔凶器人形技士ギリコ”にするか。解除………装填」
装填できるカードが一枚までなのは不便だが、増えるまで今は我慢だな。
陽炎
「さて、試すか。
《鋸脚1速》」
足に刃のついたチェーンが出現し、甲高い音をたてながら回転しはじめる。
丁度目の前には太い幹の木があり、それに軽く斬りつけるとヴォンと音をたてて真っ二つになった。
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