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目が覚めたとき視界に入ったのは得体の知れない人外の生物だった。
イトウヒロキは今、困惑している。
それもそのはずだ。彼は確かに昨夜自分の家の床に就いた。
にも関わらず今目の前には得体の知れない生物がいる。
「魔王様の召喚に成功したぞー!!」
一体の人外の、黒い生物が叫び散らした。
イトウヒロキはその生物を、まじまじと観察すると小さな
声で呟いた、
「悪魔だ……」
と。
すると他の生物たちも騒ぎ始めた。
イトウヒロキはとりあえずこのやり取りを聞いてみることにした。
この生物たちの言葉をよく聞くと、ある二つのキーワードがあることを、イトウヒロキは見つけた。
“魔王”“召喚”
これだけでは、なんのことかさっぱり分からない。
一つだけ考えが頭に思い浮かぶ。
判断はまだ早い。
イトウヒロキはすっかり混乱しきっている頭を落ち着かせるために、一つ深呼吸をすると改めて自分の状況を確認する。
イトウヒロキが座っているのは玉座。
着ている服は白衣。
ポケットには携帯に人類のブレイン、そして拳銃が一丁。
拳銃を確認すると日本は物騒になったと改めて認識してしまう。
イトウヒロキは玉座に座っている。そして、ここはおそらく城、王の間。
さらには悪魔と思われる人外の生物から発せられるキーワード“魔王”“召喚”
「まるでテンプレだな。おい!!」
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