無貌の保護者

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「決まりだな。おいっ、入ってこいよ」  ――福島先生の呼び掛けに応え、病室のドアは開き、その人物は入ってきた。僕はその人物を一目見て、軽い混乱に陥ってしまった。  その人物が男性なのか、女性なのか、歳が幾つなのか、青年なのか、あるいは老女なのか、僕には区別がつかなかったのだ。いや、正直に言おう。それが“人間なのかどうかも”僕には判断がつかなかったのだ。 「紹介しよう」 福島先生は僕の混乱をよそに“その人物(?)”の紹介を始めた。「こいつは俺の友人で『ノー・フェイス』と人からは呼ばれている。まあ、俺は省略してフェイスと呼んでるけどね」  
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