無貌の保護者

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 ふと気付くと髪は短くも長くもなっていたし、小太りで醜悪な中年男から、小綺麗な格好の妙齢な淑女になっていたりもした。僕は益々混乱した。 「この少年、面白いな」 とノー・フェイスが不意に呟く。この人物は僕の混乱に気付いているのだろうか? 「少年、君は記憶喪失の上に身元不明だ。そして持ち物には金目の物が一つもない。『入院』というシステムは酷くお金が掛かるんだ。君に当ては有るかな?」  無い、と僕は首を横に振る。  
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