無貌の保護者

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 逸材? 話の流れが見えない。どうしてこの会話の流れから“逸材”なんてワードが出てくるのだろうか? 「本当か?」 と福島先生がノー・フェイスに訊ねる。 「間違いない。私が見誤ったことが有るか? 無いだろう。憶測なら口にしない。確信したから告げた。君の質問はまさに愚問だ」 「ちょっといいですか」 と僕は二人の会話に割って入る。どうしても確かめなければならない事があった。「その、……ノー・フェイスさん、でしたよね。あなたは人の嘘を見破れると言った。それは確かなんですか? もし僕が本当に嘘つきなら、嘘なんてついていないけれど、それが何故あなたに判るんですか?」  
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