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「本気で言ってるんですか? もし仮に、あなたにそんな“力”が在るなら、僕の記憶を探ればいいじゃないですか」
「イマジネーションが足りないようだな、少年」 とノー・フェイスは両手を広げ首を振る。明らかに僕を馬鹿にしているようなジェスチャーだ。「読めない事柄も有る、と私は言った。なら君の案件もその事柄に含まれると考えるのが妥当じゃないかな。そんなんじゃ私の所では働けないぞ」
「働く? 誰が、何処で?」
「君が、私の所で、だ」
福島先生が僕に視線をやり、一つ、神妙な面持ちで頷いてみせる。どうやら事態は、自分の意志とは全く別の場所で動いているようだった。
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