無貌の保護者

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「んー…? おい、聴こえないのか? それとも声が出せないのか?」 と声の主が訊いてくる。 「……聴こえて、ます」 と僕は言ったつもりだが、上手く言葉に出来たかは自信がなかった。喉が渇いている。気を抜くと意識がまたブラックアウトしてしまいそうだ。 「結構だ。まずは生きている事実を素直に喜ぼうじゃないか。まあ、あまり快調とは言えない状態だがね」 「ここは、何処ですか? それと、あなたは、誰ですか?」 「ああ、無理はしなくていい。取り敢えず意識さえ戻ればひと安心だからね。体力は徐々に戻ってくるだろう。今はゆっくり休みなさい」  
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