☆Ⅴ話

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~異界~ 匂陣は騰蛇を降ろした。 しばらく騰蛇を見ていたが身を翻し、人界へ行こうとしたら腕を捕まれた。 匂陣「……天后…」 天后「匂陣…」 匂陣と天后は仲が良い親友だ。 天后は複雑な瞳で匂陣を見ていた。 匂陣「天后…離せ…」 天后「匂陣…晴様を裏切るの?」 天后の語調が激しくなる。太裳も傍に現れた。 匂陣「………太裳…」 太裳「匂陣…あの術者はいったい誰なのですか?」 匂陣は静かな瞳で沈黙していた。 匂陣「あの子はお前たちも知っている子だ…」 匂陣は天后の腕を振り払って人界へ向かった。 天后は悲しげな瞳で匂陣がいたところを見ていた。
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