強がり。

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「……明子。冗談は、やめてくれ」 「冗談じゃない…仁ちゃんのこと、好きだもん! 初めて、出来た高校での大親友を好きと言わずして何と言うの!?」 ――……あぁ……そっちですか。 深く溜息を吐き、無理に明子の手を解きフェンスに押し付けた。 「ぎゃ…」 「…明子は、俺のこと何にも知らないじゃん?」 「し、知ってるもん…」 「何、知っているの? 俺の何を知っているの?」 徐々に近寄る仁に明子は、頬を染め必死に抵抗する。 「…ほら。何も知らない……俺は、汚いんだよ…分かる?」 再び、溜息を吐き明子から離れると逆に今度は明子が仁をフェンスに押し付けた。 「…知ってるよ! 仁ちゃんが、すっごく綺麗なこと位知ってる!!」 「………お前…」 それは、仁がどんなことをしているのか知っている…と言うことを意味していた。 「……仁ちゃんが、何を考えているのか…知らないけど………教えてよ、仁ちゃん。分からないからさ…親友でしょ?」 ――…言ったら、お前は俺の物になんのかよ…馬鹿。 「……言ったって、分かんないだろ?」 「ムッ…それは、私を馬鹿にしているよね…私を誰だと思っているの……私は、今までに幾度となく人生相談に乗りたくさんの人を幸運の道へ導いたのよ」 と、胸を張る明子に仁は苦笑する。 「…それ、ゲームじゃん。引きこもりの分際で」 「う、うるさいな! …って、え?」 喚く明子の唇に無理矢理仁が、唇を重ねる。 「………國谷いぃぃぃぃ!」 ドアがぐしゃぐしゃに凹んだ物を背景に、メラメラと炎を燃やしながら将吾がこちらへと近づいてくる。 「付き合って…とか、言っても無理だろ?」 「え…」 「だから、もう一回」 「え……! んんッ!?」 明子の返事を聞く前に、仁は明子にキスを落とす。激しく…時に優しく落とされたキスに、明子は気絶してしまう。 「…あらら……明子には、早かったかな…」 「そうですね…國谷君…」 がしりと掴まれた肩に、仁はゆっくりと後ろを振りかえるとそこには、恐ろしい鬼がいました。 「ギャー!」 「天国へ送ってやるよ!!」 「それ、地獄の間違いじゃないっ!?」 必死に抵抗するも空しく、助けてくれる味方もおらず…仁は、鬼に返り討ちにされましたとさ…。
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