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「そうだよね…仁ちゃんも、何だかんだで一緒にいるもんね」
と、呟いた明子の言葉に将吾は顔を引きつらせる。
「…言っても、大丈夫だよ…ね。うん。先生、言ってくれたよね…自分で、壁作るなって……だから、私…言うよ…って、先生?」
ドサって音を立てて乱暴にベッドの上に放り投げられたかと思うと、明子の上に将吾が居た。
「絶対…言わせねぇ」
と、鬼の形相で将吾は言いながらシャツを脱いだ。
「え…ちょ…何で?」
「……くそ。なんで、お前は俺を見ないんだよ…」
「めっちゃ…視界に入って困っているんですけど…って、脱がさないで下さい!! まだ、言ってないじゃん!?」
「言わせねぇって、言ってんだろ! 馬鹿!」
ポチポチと明子のシャツのボタンを外すが、それをまた明子が素早くボタンをかけ直す。
「くそ…めんどくせ…」
ぐぃっとシャツを引っ張ると、ボタンが弾け飛び明子の下着が露わになる。
「ギャー!」
「…ふん。言っても言わなくても、離さないって言っただろ?」
と、背中に手を回し将吾はブラのホックを外し露わになったその谷間に顔を埋めた。
「……う、うぇ~ん! せめて、好きって言わせてえぇぇぇぇ!!!」
ーそうして、この度あらゆる手段を駆使し鬼(将吾)を退治しろと命じられた桃太郎(明子)は逆に良いようにまるめられ…鬼が島(将吾のマンション)で毎日、怯えながら(無理矢理、勉強しながら)暮らしたそうです。
めでたし、めでたし。
-完-
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