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――…汚い…俺は、明子に触れたらいけないんだ…。
一生懸命に、走りようやく着いた屋上はいつの間にか雨が降り一瞬外に出るのを戸惑ったがそれでも仁は外に出た。
「仁ちゃん！」
「来るな…」
小さな声だったので聞こえなかったのか、明子はバシャバシャと音を立てながら仁に近づき後ろから抱きついた。それを見た将吾が、屋上のドアに頭をぶつける。
「…先生まで、来てんのかよ……」
「え…あぁ……ごめんね」
「なんで、明子が謝るの…」
「そ、それは…」
明子の手を解き、離れようとした仁に明子はもう一度抱きつく。その瞬間に、将吾は再びドンッと言う痛々しい音を立てドアに頭をぶつける。
「…離してよ、明子。じゃないと、俺…殺されるんだけど」
「やだ…どこも、いかないでよ」
明子の言葉に、仁は歯を食いしばり必死に明子の手を解く。
「離せって！」
「いやだ！ 仁ちゃんの馬鹿！！ これ以上、私の前から好きな人がいなくなるなんて嫌なの！！」
必死に、抱きついて主張する明子に仁は固まり…将吾も一度、頭をぶつけるのをやめるが…先ほどよりも何度も壁に頭をぶつけ始める。
――…好き……だと？
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