じゃんけん。

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「…今度は、出来るだけ優しくするか…」 将吾は、ぽつりと呟き車のエンジンをかけた。 向かう場所は、まだ一度も会ったことのない生徒―五十嵐 明子(いがらし あきこ)の家であった。 彼女のことを同学年の子に聞いてみても、見たことがないと言われ将吾は驚いた。 明子は、2年生で少なくとも出席日数が足りるくらいには学校に出てきているはずなのに…誰も知らない。他の教師から聞けば、学校には保健室登校をし、寝ているそうだ。成績も悪く、2年生にどうやってなれたのか…いや、入学自体出来たことが不思議であった 。
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