トオルとケントとシオリ

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「・・・お前ら日曜どっか行くのか?」 ぽそりと小さな声でケントが呟いた。 「ん?あぁ、ちょっとね」 オレは苦笑して答える。 背中には冷や汗。 シオリめ、ケントがいるところで言うなよ。 バレるじゃねぇか。 オレの先を歩くケントが言った。 「お前ら最近特に仲良くなったよな」 そう言ったケントの声はいつもと何かが違って聞こえたような気がする。 危うい雰囲気を醸し出しているように感じた。 どんな表情をしているかは後ろからは見ることができない。 「そうか?前からこんな感じだと思うけどなぁ」 気が付くと別れ道に着いていた。 「じゃ、ケント。また、来週な」 「あぁ、また来週」 別れ際に見たケントの顔はいつにない程の笑顔だった。 そう、まるで、 精巧にできた仮面を見ているような感じで。 そして日曜日、 もうオレ達は 三人揃って 会うことも、 話すことも、 喧嘩することも、 遊ぶことも、 もう二度と出来なくなってしまった。
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