第1章【夏の唄】

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――タタッ… 諭を小走りで追い抜き、一段上まで来た。 いつの間に、身長追い越されたんだっけな。 これで同じ身長…か。 ふと昔を懐かしんでいたその時、 『…噂…迷信…そんなんじゃねぇんだよ…。』 『え?…っきゃ!!』 諭に両肩を掴まれ、向かい合う形になる。 『…七海ぃ…。』 『さ…とし…?…ッ!』 私はそのまま抱き寄せられた。 『にゃ、ちょっ!!』 私は引き剥がそうとするが、しっかりと抱き締められ離れられない。 様子が…おかしい。
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