第1章【夏の唄】

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シャ――――… 坂道を上って下って… 陽射しは刺さるように暑いけど、肌を伝う風は心地好い。 前にいる諭の背中を見るとシャツに汗が滲んでいる。 幼い頃は、こんなに背中が大きく見える時が来るなんて夢にも思っていなかった。 あと、諭を見てこんな気持ちになるなんて…思っていなかった。 少し頬が赤らんだのが分かる。 いつの間にか芽生えていた気持ち。 いつか…いつか伝えられるのかなぁ。 でも、今はもう少しこのままで…。 私は目を瞑り、自転車の揺れに身を委ねた。
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