第1章【夏の唄】

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『なぁ、七海ぃ。』 『…何ぃ?きゃっ!』 キキィーッ! とあるお寺の前で、諭はブレーキをかけた。 ゴンっ…私は諭の背中にぶつかる。 『な、何よいきなり!』 諭はチャリから降りてお寺へ向かっていく。 『遅刻するよっ!』 私も早足で追いかけた。 『七海知ってる?』 『え?』 どんどん奥に進む諭。 こんな田舎にしては…田舎だからかな? 凄く大きいお寺なんだ。 名前は…うーんと、何だっけ。 諭は長い階段の途中で振り返り、言った。 『この寺の噂。』
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