壱の矢~終ノ歯車~

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唸りをあげる魔物に視線を移すと、右腕をダラリとさせてその指先から緑色の血を滴らせていた。 出血の量からも大きな怪我であることがわかる。 人間がもっている何かが月明かりを受けてキラリと光った。 どうやら剣のようだ。 あの剣を使って魔物の右腕を負傷させたのだろう。 しばらく睨み合っていた一人と一体だったが、やがてじりじりと魔物が後ずさり始めた。
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