22184人が本棚に入れています
本棚に追加
/358ページ
「う~ん、僕でよければするけど、霧斗が……っていない!?」
そういえば先程からもう一人の男の子の姿がありません。
いや、今はそんなことよりも!
「あの……態度を変えないのですか?」
その私の言葉に恋夜様は首を傾げて、
「なんで?……あ、もしかして年上だった?」
と言ってきました。
思わず私の顔が綻ぶのがわかります。
どんな事情があるのかはしりませんが、態度を変えない恋夜様に、私は思わず抱きついてしまいました。
「えっ?ちょっ、ナタリーどうしたの!?」
「そんなことよりも!私をシェルティアまで護衛してくれませんか?」
「ん~まぁ霧斗もいないし、住む場所もないからやるよ」
やりました!……って住む場所がない?
はっ!これはチャンスでは?
いずれは王女とばれる。ならばその前に家に招待すれば……ふふふ、早速実行です!
「それなら私の家にきませんか?何か事情がありそうなので理由は聞きませんが、護衛のお礼ということで」
そんな私の誘いに、少し考える素振りをしたあと、
「じゃあお願いしようかな」
と言ってきました。
思わず心の中でガッツポーズ。
ふふふ……ここまでくれば私のもの。お父様に頼んで私と同じ学園に編入させてしまいましょう。恋夜様の口振りからして、学園には通ってないようですし。
私はこれからのことを想像して、思わず笑ってしまいました。未だにお姫様抱っこされていることなんかは忘れて。
最初のコメントを投稿しよう!