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はて、なんで俺はこんなことに巻き込まれているのだろうか。普通巻き込まれるのは恋夜だと思うのだが。
というのも、今俺の前には三人の大柄な男がのびており、後ろには未だに震えているかなり小柄な少女。
なんでこうなったなかというと、それは少し前までさかのぼる。
俺は恋夜とナタリーと別れてからすぐに、全速力を出して森を抜けた。ちなみに身体能力については、考えてもわからないのでラッキー程度に思っておくことにした。
そして、そのまま速度を落とさずに走ると、雲に届きそうなくらい高い壁が見えてきた。
恐らくこの壁は国を守るためのものだろう。近くまで寄って改めて見上げてみるが、あまりの高さに首が痛くなった。
何のためにこんなに高い壁なんて作ったんだ?と疑問に思ったがわからなかったので、とりあえず国に入るための入り口を探すことにした。
壁に沿って歩くこと三分ほど、なにやら出入りするための門のようなものを見つけた。
そこに近寄ってみる。すると、出入りの管理をしているだろう男の人に声をかけられた。
「シェルティア王国へようこそ!王国にはどういったご用件で?」
「ああ、観光とギルドの登録にきた。入れてはくれないだろうか」
これは咄嗟に思いついた嘘だ。
観光というのは、王国という名前からして、きっと観光に来る人も多いだろうと予想したから。
ギルドについては、ファンタジーなら王道だし、きっとあると思ったからだ。
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