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──恋夜Side
僕はあれから、一日半かけてシェルティアという国までナタリーと歩いた。
道中魔物に襲われることもなく、自分がここに来た経緯を詳しく話したりしていた。
「ここが我が国、シェルティアです!」
我が国……?いや、それよりもなんだろう、この大きい壁みたいなものは。
「この壁は森がある方向だけにあって、魔物から国を守るためのものですよ」
「へぇ……って僕の心読んだ!?」
「いえ、顔にでてましたよ?」
「あ、そうだったんだ……」
なんか恥ずかしいな。
僕はその恥ずかしさを誤魔化すために、ナタリーを急かして国に入る。
その際に、門番とのやり取りをナタリーが見せてくれなかったのが、ちょっとひっかかった。
中に入った瞬間、僕はあまりの綺麗さに目を奪われた。
まだ早朝ということもあり太陽が昇りきっていなく、街の壁からちょこっとだげ太陽がでていて、その黄金の光が街全体を照らしているその様は、とても神々しく、とても綺麗だった。
「改めて、ようこそ我が国シェルティアへ。どうですか?シェルティアは」
「……うん、綺麗だよ。それになんていうか……いい国だと思う」
僕の視線の先には、朝早くなのにもかかわらず店を開き始め、家族で手伝いあって作業をしている光景があった。
「では、そろそろ私の家へ案内します」
「あ、うん。お願いします」
僕は歩きだしたナタリーに続いて歩きだす。
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