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「もう飽きた。。」
その者は俳優。
老若男女誰が見ても端正な顔立ちつまりイケメンで女性からとても人気のある俳優だ。
メディアで広く活躍し
トークも上手く、共演者らスタッフからも好かれる人物であった。
この男がつぶやいた、「もう飽きた」と言うのもそう言った事情から来ていた。
あらゆる女性とセックスし、
一度抱いた女は二度と抱かない。と言っても過言ではないくらいに相手を変える。
そうした報道もされ、世間を騒がせる。
批判もある。
しかし寄って来る女は尽きない。
そういう男だった。。
つまり要約すると
「この世の女は抱き飽きた」
と言ったところか。
…この男は美しい容姿だけでなく
もちろん多額の金も持っていた。
男は考えた。
今ニュースでも話題になっている
「冷凍冬眠」
これに自分が入り、未来の美女を抱けはしないだろうか。
きっと新鮮なルックスの美女を抱けたらまた一段と違った興奮も覚えられるのではないか。
そう考え、専門の医者の元へ行き、料金を払い、入る事を決めた。
もちろんファンの女達は嘆いた。
しかし男にとってその女達は「飽きた」対象であって、後ろめたい気持ちもない。
何年間冬眠するのか。
「100年じゃ女の見た目もほとんど変わってないだろうよ。かと言って1000年だと地球があるか分からない。だから500年くらいにしといてくれ。」
医者は500年後に設定し、男は冷たい眠りについた。
男は目覚めた。
感覚としてはほんの10分くらいだ。
「お目覚めになりましたかな。」
男を冬眠させた医者に全く同じではないが目の周りがよく似た人がそこにはいた。
「孫か?」
「いえ。子孫ではありますがね。」
孫ではない子孫、と言うのが500年という長い年月を改めて感じさせたが
男からすれば見た目ではほとんど変わらず、いささか残念に思えた。
そこへなかなか美しい看護婦がやって来た。
「お目覚めになったんですね。おめでとうございます。ところで…少しこの人をお借りしますね。服などは用意しておいたのでお召しになってください。」
といい医者と看護婦は部屋から出て行った。
………
「あの人は誰なんですか?」
「私の子孫が冬眠させたのだ。300年前の俳優だそうだ。」
「えぇ?俳優…ですか?
あんなにブサイクな人が…」
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