21人が本棚に入れています
本棚に追加
訳が分からず、いつも朝食に食べている目玉焼き、味噌汁をかきこみ、家を出た。
・・・・・っといけない。
確か、使用要領には、本人の氏名、年齢、誕生月を書き、ポストへ投函と書いてあったな。
要領に従い、チケット裏に
『矢崎 登 17歳 7月』と記入し、学校へ行く途中のポストへ投函した。
学校へ着くとホームルームが始まって、担任の松尾の話し声が聞こえている。
音を立てず、後ろのドアから教室へ入り、自分の席に座った。
「では、このまま一限目の国語を始めます。教科書32ページを開いて下さい。」
いつもの軽快な口調で担任の松尾が言う。
机の中から教科書を取り出し32ページを開いた。
「えっ・・・・・!!?」
●09:25
あなたは、おなかが痛いのでトイレに行っていいですか?と先生に言う。
●09:30
あなたは、トイレには行かず、そのまま屋上へ行く。
●09:33
あなたは、屋上の周辺を歩いている。
●09:35
あなたは、1人の男と遭遇する。
●09:40
あなたは、倉田洋平になる。
この教科書には確かに、そう綴られている。
なんだ、これ!!?
まさか、今朝のあの紙切れをポストへ投函したやつか?
って今何時だ?
時計は・・・・・9時25分!!!
・・・・・・僕は、内気で自分から積極的に話しかけたり、行動するタイプではない。
ましてや授業中に話しかけるなんて・・・・・
そんなことを考えていると、突如、腹痛に襲われた。
「うぅ・・・・・ぅ。」
おなかを押さえてうずくまる。
最初のコメントを投稿しよう!