運命

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訳が分からず、いつも朝食に食べている目玉焼き、味噌汁をかきこみ、家を出た。 ・・・・・っといけない。 確か、使用要領には、本人の氏名、年齢、誕生月を書き、ポストへ投函と書いてあったな。 要領に従い、チケット裏に 『矢崎 登 17歳 7月』と記入し、学校へ行く途中のポストへ投函した。 学校へ着くとホームルームが始まって、担任の松尾の話し声が聞こえている。 音を立てず、後ろのドアから教室へ入り、自分の席に座った。 「では、このまま一限目の国語を始めます。教科書32ページを開いて下さい。」 いつもの軽快な口調で担任の松尾が言う。 机の中から教科書を取り出し32ページを開いた。 「えっ・・・・・!!?」 ●09:25 あなたは、おなかが痛いのでトイレに行っていいですか?と先生に言う。 ●09:30 あなたは、トイレには行かず、そのまま屋上へ行く。 ●09:33 あなたは、屋上の周辺を歩いている。 ●09:35 あなたは、1人の男と遭遇する。 ●09:40 あなたは、倉田洋平になる。 この教科書には確かに、そう綴られている。 なんだ、これ!!? まさか、今朝のあの紙切れをポストへ投函したやつか? って今何時だ? 時計は・・・・・9時25分!!! ・・・・・・僕は、内気で自分から積極的に話しかけたり、行動するタイプではない。 ましてや授業中に話しかけるなんて・・・・・ そんなことを考えていると、突如、腹痛に襲われた。 「うぅ・・・・・ぅ。」 おなかを押さえてうずくまる。
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