高校2年生・秋

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今日も父と目が合った瞬間、 殴られ、罵声を浴びさせられた。 何度も 「死ね」 と言われ心が朽ちて行く音がする。 殴られるよりその言葉の方が私に痛みを与える。 その痛みを加速させたのは、母と妹のせいでもあった。 母は妹を守り二人しておびえた目で私を見ている。 この瞳は私の心が朽ちるスピートを加速させていたのだった。 あの家族という温かい場所を思い出せなくなる。 いや… もう既に思い出せない。 思い出したくない。 温かすぎて心が耐えれなくなるから。 そっと上げた私の瞳は もう母や妹みたいにおびえた瞳ではなく 光りを通さない反抗的な瞳だったに違いない。
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