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「響香(キョウカ)これからバイト?」
「久しぶりの休みだよ」
「じゃぁ今日は早く家に帰るの?」
その彼女の言葉が心に一瞬突き刺さったような気がした。
でもそんなことを気にしている場合じゃない。
言うなら今しかないと思った。
「それがさー
親と喧嘩しちゃって…
杏、今日家に泊めてくれない?」
私は平然と嘘を吐く。
でもこうでもしないと私がおかしくなる。
嘘で塗り固められた私の言葉に杏ですら気づきもしない。
だから今はこのままでいいんだ…。
「いいに決まってるじゃーん!!
うちはいつでも響香のこと大歓迎だよ」
「ありがと
そんなこと言ってくれるのは杏だけだよ」
「そんなこと無いって
でも響香、早く親と仲直りしなよ?」
「うん」
そう言って私は無理に笑った
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