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暗闇と煙の中で描くもの、揺らり揺れて感情は縁取られた、
輝いて閃いて、誰の目にもそれは映らなくなり、代わりに音だけ空間に満ちていく、
甲高く、耳鳴りを覚える程に飽和へと向かう、無になるまでの猶予は僅か数刻、
違和感は顔を覗かせ、何時しか普通に変わり、そして喜びは宙を迷走していた、
削り取られた銘はあたかもその存在の全てを否定するように、下された命はまるで死という終わりを義務付ける、
渇いた心、疼く涙腺など所詮は一時の幻、告げた覚悟、酷く従順な態度はせめてもの抵抗、
言い訳として吐いた理想は遥か遠い空、消去したいものだけが胸には残る。
鋭い棘ではなく染み込み浸る不快感の繰り返し、自ら招いた透明な違和感に苛まれ、不様にそして滑稽に足掻くのは果たして何故か、
陥る程に周囲は霞み、歪んでいく世界はともすれば抽象画のように曖昧で、伝わる筈の意味すら感性を磨かなければ捉えきれない、
計られた天枠にその身を任せる日々、諮られた色彩に混ざった毒が蝕む感触にも気付かずに、
無意識に背けた未来、干渉を拒む密かな真意の中、消えようとする想いは無に還り、消そうと抱く思想だけ確実に刻印として打ち込まれていた……
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