中学生

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「中学生になっちゃったね~」 亜来が、私を見ながら そう言う。 「そうだねー。 先輩後輩とか… なんか緊張する」 笑いながら喋り返す。 「やっぱ敬語だよね、 先輩後輩と言えば」 「敬語…かぁ。 ちゃんと使えるかな」 ちょっと心配かも… 「まあ、なんとかなるでしょ!」 なんとかなる、かな。 「そういえばさぁー…」 「なに?」 「篤志(あつし)、 違う中学行っちゃったじゃん」 「そうなんだよぉーっ」 篤志、とは私の好きだった人。 初恋の人。一年生から六年生まで好きだった。 …結構長い間好きだったな~。自分でそう思う。 「ドンマイだね~… まあ新しく好きな人 作ればいいじゃん!」 「新しく、ねぇ~… 出来るかな?」 「出来るって!」
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