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第一章
この国には昔から海の底に、
とても美しい姫が住んでいると 言われていた。
ですがその姫は少し変わった
方で・・・――
―竜宮城―
「姫ッ!!またネトゲですか!?」
「いいじゃない別に…。これが私の生き甲斐なのよ。」
「とは言え姫様も20歳、
この竜宮ノ海ではもうお嫁にいくお歳ですよ!」
「うるさい!!黙っておれっ!!」
「はぁ・・・。」
私はこの“引きこもり姫”の
お世話をしている、
かなめと申します。
もうこのお世話役をやらせていただいて五年になりますが、
実を言うと私も姫のお顔を
しっかりと見た事があまり無いのです。
最後にお顔をまともに見たのは、三年前でしょうか。
その時は竜宮ノ海の アニメやマンガやゲームが好きな・・・、
まぁ簡単に言ってしまえば
いわゆる“オタク”と言われる方達が集まり、
談笑するという会があったのです。
その時の姫といったら 気分が良かったのか、
アニメのキャラクターの衣装を着、
高らかにそのアニメの主題歌を
歌ってらっしゃいました。
もちろん私はそのような専門の 事についてはちんぷんかんぷん ですので、
どのような喜びを感じられたのかは 全く解りませんでしたが・・・
ですが姫は、 普段わたしたちに見せない笑顔を見せてくれました。
嬉しさもありましたが、 少し複雑な気持ちでもありました。
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