ティアナ・ランスターの戸惑い。

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  「……新品ですか? コレ」 「中古で買ったのは直ぐに壊れるってイメージがあるから、どうせなら新品が良いかなって」 「……ちなみにお値段は?」 「そんなに高くはないよ? 型式も最新の物より一つ下のものだし。まぁ、一式だから単品よりも少しだけ高いけど」 「……まさか、……贈与?」 「私はそのつもりだよ」 ―― なんということでしょう。 始めから断るという選択肢を潰しにかかる この匠の技。 常識人には効果的すぎる技に脱帽せざるをえない。 もしも『私には合わないかな?』―― と このゲームを全否定したらどうするつもりなのか。 ……あ。シャーリーさんが居たかあの人なら受け入れそうだ。 「―― では、お借りします」 まぁ、親切に機器を揃えてくれたのに触りもせずに拒否するのも…その、なんだ……人としてどうかと思うのも確かだ。 優しく丁寧に箱を開けると―――そこには楕円形の機械が鎮座していた。 ……見事なオレンジカラーの。 「…………」 「……気に入った、かな?」 ええ。気に入りましたとも。 何が、とは言わないがなッ!?  ※※※※※※※※  
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