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―――― ユクモ村。
モンスターハンターP3rdの舞台にして ハンター達の活動拠点となるその場所は、良くも悪くも情緒溢れるといった言葉がよく似合う。
人が居ないわけではないが賑わいという言葉に縁がなく、施設と呼べるものは一通り揃っているものの活気に満ちているわけではない――― ある種のノスタルジックがそこには有る。
その地に足を踏み入れた一人のハンター。頭上には『ティアナ』という文字を引っ提げて、その村の隅から隅まで歩き回り、住人という住人に話しかけ 入れる施設に片っ端から突入していた。
その動きは――― しいて言えば探索である。
「右上のボタンを押しながらスティックを動かすとダッシュ、○ボタンで話し掛け、スタートボタンはステータス画面の呼び出しと」
「村の中での基本的な動かし方と各施設は把握出来たかな?」
「なんとか、ですね。クエストの時はまた違ってくるんですよね、確か」
「うん。それは口で言うより実際にやってみて経験した方が良いかな……あんまり良い例えじゃないけど『習うより慣れろ』だね」
「まぁ……一理ありますね」
「私も 基本そのやり方で慣れたくちだから」
卓を挟んで対座する二人の美女は互いに手に持ったPSPを見つめながら会話を交わし、視線を外さない様にしながら卓の上に置かれたクッキーを掴み口に運ぶ。
その姿は至ってシュール。というか物悲しさすら感じるものがある―― が、基本『こうなるもの』らしい。
……誰が言ったかまでは言及しないでおこう。某きんぱツンデレの為にも、だ。
「この訓練所って所は行かなくて良いんですか? 名前からして初心者大歓迎っぽいんですが……」
「なのは曰く――――
『ある程度クエストを進めない限りはまったく行く必要がない。』―― らしいよ?」
「……本末転倒じゃないですか?ソレ」
「私もそう思う」
訓練所とは名ばかりか。――― と軽くツッコミを入れそうになるティアナであったがグッと堪えた。
ツッコミを入れたとて、ナニかが変わるわけではない。
むしろ減る。こう、なにか言い知れないナニかが。
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