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村を一回りし、活動拠点となる自宅に戻った『ティアナ』はある箱の前で立ち止まり 固まっていた
―― アイテムボックスと呼ばれるソレは……まぁ言ってしまえば万能箱なのである。
収集したアイテムや製作した武具などを保管してくれる優れもので生物(なまもの)から食料、果てはモンスターの落とし物(ウ〇コry)をごっちゃにしても問題ないくらいの万能性を誇る。
……是非とも一家に一台欲しいものだと本気で考えるくらいに。
「……武器はどうしようか」
その万能箱の機能の一つ、武器防具の保管画面を見つめながらティアナが呟く。
ハンターは使う武器によって戦闘スタイルを変えるため、自身に合う武器を見つけられるかが重要になってくる。―― とはフェイトの談で 大きく分けて二種類の武器が存在する事と、その二種類の武器の特徴と長所短所の説明を聞いていたティアナは、どの武器を使うのか悩んでいたのだ。
ちなみにフェイトは大剣と双剣という武器を主に使っているらしく、その理由をこう話した。
『バルディッシュに実際あるスタイルだから』―― と。
なるほど。と ティアナは思った
実際とゲームとでは違いがあるものの、自分に縁のある武器を選ぶというのはあながち悪くないのかもしれない。
ならば―― ティアナ・ランスターが選ぶべきは『ガンナー』
所謂遠距離武器なのだろう。
……しかし、だ。
「弾の調合、その材料を集めるのも維持するのにもお金が……」
そう、お金がないのだ。
ハンター生活の足しにしなさいなと美熟女(?)村長から支給された資金と相談しても、とてもではないがやっていけないのではないか? と、ティアナは判断したのである。
RPGと呼ばれるゲームでも、働きだしたばかりの頃の自身の現実もそう、初めは何かと足りないづくしで 資金のやりくりをしくじると後が怖いのだ。
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