○だ ま し あ い

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「俺と、別れて下さい。」 「本気で言うてんのか?」 黙って頷くと、徳井さんはそっと俺から離れて、俺の顔をじっと見据えた。 「…分かった。 ごめんな、」 真面目な顔して、分かっただなんてね? 初めから、そのつもりだったくせに。 謝罪の言葉なんていいから、悲しい顔の一つくらいしたらどうですか? 「…っ…ぅ、…」 ほら、こうやって涙流したりとかしてみれば、なんかそれっぽいでしょう? 悲しい別れ、みたいな。 徳井さんにとっては、そうじゃないと思うけど。 「若林、泣くなって…」 貴方も、そうなんですか? 「…笑ってや、いつもみたく。 笑った顔のが好きやで。」 別れ際には優しいふりするんですね。 「今まで、ありがとうな。」 ありきたりな言葉を残し、持ってきた鞄だけ持って出て行こうとする貴方。 「…待って、…っ…」 「…ん?」 「…徳井さんの、ものとか…まだ、いっぱい…」 「あぁ、みんなお前の好きにしてええよ。 使うなり、捨てるなり。」  
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