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すらっと長い指が、そっとこちらにのびてきて首筋をなぜる。
顔と同じで綺麗な指のはずなのに、
「…汚い、です。」
「何が?」
「その、手…。」
「え?」
慌てて自分の手を見る貴方。
「何も汚くないやん。」
「でも、俺には汚く見えるんです。」
「はぁ?
どないしてん、若林…。」
そう言って俺の頭を撫でようとした、徳井さんの手を払いのける。
「あんまり、触らないで下さい。」
「何言うてんねん。
俺お前に何かしたか?」
「だから、汚いって言ってるじゃないですか…」
汚い、貴方が。
しらをきる貴方が。
「何が汚いねん。」
「だって…そうじゃないですか。」
「本当にどないしてん、若林…」
どうしたって…?
その言葉、そのまま貴方にあげます。
「徳井さんこそ、そのシャツのボタン…どうしたんですか?」
「ボタンって…あ、」
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