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1つ掛け違えたシャツのボタン。
朝、友達の家に遊びに行くって言った、貴方のシャツのボタンはちゃんとしていた。
「どうしてボタンなんて、掛け違うんですか?」
「どうしてって、そりゃ俺かてうっかり間違うくらいあるやろ。」
「そうじゃなくて、どうして『友達』の家に行って、シャツなんて脱ぐんですか?」
俺の言葉に、返す言葉を失った貴方。
やっぱりそうなんですね、
「また、綾部さんのとこですか?」
「ちゃうって、これは別に…」
「何が違うんですか?」
言い訳させまいと、被せるように質問をぶつけると、徳井さんはいきなり俺の手を引いて抱きしめた。
「俺が好きなんは、若林だけやって…」
「よく、そんなこと、言えますね…」
俺を落ち着かせようとした貴方の行動、裏目に出てるの、貴方は気づかないでしょうね。
「痕…付いてますよ。」
しまったと言わんばかりに、首元を隠した徳井さん。
抱きしめたりしなきゃ、バレなかったのに。
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