いつもと同じ朝だった…でも…

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「ちょっと待っててくれねぇか?」 親父が作業員達に声をかけていた。 何か話がある様だった。 俺も、聞いておくか…。 でも、離れた所で話を聞いたから内容がよくわからなかった。 作業員の1人に詳しい事を聞いてみた…。 内容を簡単に説明すると、親父は、"現場監督"をしてたが、"社長業"に専念するとの事。それで、代わりに"現場管理と監督"をしてもらう"契約監督"が挨拶に来るとの事。 なんだよ…それ……。俺、一言も聞いてねぇーし。知らねぇーし。家族なのに……。 やっぱり…親父にとって、俺、"ただの道具"でしかないのか……。俺の心は、酷く傷ついた…。 半ば、落ち込む俺の横から声が聞こえた…。 「すぃまぁせ~ん」 「!?」 明るく軟らかくて……何よりも優しい声だった……。 「おっ、来たか!こっちだ…こっち」 親父が手招きで高らかに呼び寄ている。 「軽く挨拶してくれぇ」 「霧島 真奈美です、よろしくお願いします」
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