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「やぁ、お久しぶり。」
「すいません。人違いでは。」
「おや、ずいぶんな物言いだね。」
「…と、言いたいくらい見違えたな。冗談さ、久しぶり。」
「はは、君は相変わらずだね。」
「お前もな。ところで、どうしたっていうんだ。その格好。」
「なぁに、イメチェンとか言うやつさ。たまにはいいだろ。」
「しかし、そんなに変わってちゃあ、周りはお前だってわからないんじゃないのか。」
「最初はね、みんな驚くよ。名前を明かしたって信じないやつも居るくらいさ。…おや、そういえば、君はどうしておれだって分かったのかい。」
「なにを言うんだ。今だって分かってないさ。お前が『久しぶり』と、僕を知ってる風に言うから、本当に知り合いなのかと思って。見覚えがないのは、外見や雰囲気が変わってしまっているんだろうと思っただけだ。」
「なんと、驚いた。つまり、君はおれが誰だか分からないっていうのかい。」
「そういうお前は、どうして僕を知り合いだと思ってるんだい。」
「言われてみれば、そうだな。ああ、そうだ、君のそれに見覚えがあったんだ。古い友人のお気に入りさ。彼のトレードマークでね。」
「ふむ、それはおかしいな、僕がこれを手に入れたのは、たった二日前だ。」
「なんだって。とすると、君とおれは本当に知り合いじゃないらしい。」
「そうみたいだ。」
「奇妙なこともあるもんだね。それじゃあ、はじめまして。」
「ああ、はじめまして。」
「「それで、名前は?」」
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ありがちありがち。
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