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ロックが片っ端から張り紙を見ていると、背後に不思議そうな表情をしたマッチョなお兄さんが立っていた。
『坊っちゃん?』
振り返ったロックは溜め息混じりに、
『クライ…。坊っちゃんはやめろ…。』
彼はクライレス。
ロックの実家、ウォーカー家の【情報屋】だ。
【ヘブン】はウォーカー家の経営する【情報交換場所】である。
実家に頼るのをよしとしないロックは数年前から【ヘブン】を避けていた。
『いやいや。お久しぶりですなぁ。どうですか最近』
『相変わらずだよ。』
言葉少なに答えると、ロックは観念したように、クライレスと酒場の奥の席に座った。
『で、坊っちゃんは何をお探しで?』
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