題名のない物語

タール国アルミス

『念力(テレキネス)か。驚いたな…』

『私、白魔法使い(ウィザード)でも黒魔法使い(マジックウォーリアー)でもなくて。魔女(ウィッチ)なの。魔法使いを総称してウィッチって言うことも有るけど…。』

『職業としての魔女は世界に６人しかいない…。』

『あら、よくご存じで。』

ミラの言葉を遮り、半信半疑でロックは呟く。

『まぁ…６人のうちの１人が親父のパーティーに居たからな。』

そう言いながらサーシャに視線をやると、ミラもつられてそちらを向く。

『母上の事でござるな。』

『母上…ってまさか…。』

『エリル・メイシア。今はエリル・シドウでござるが…』

『うそっ！伝説の魔女じゃない。っていうかシドウ！？じゃぁ…っ』

『伝説の勇者エディ・シドウは共に戦った仲間のエリル・メイシアと結婚。その息子がそれ』

興奮気味のミラに説明しながらサーシャを指差し

『次いでに、サイレス・ウォーカーの息子が俺。』

と付け加える