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何も見つからないまま、溶岩はすぐそこまで迫っていた。
『くそっ…なにかねぇかなにか…。』
暑さで汗が滴り落ちる。
『あ…。』
汗を拭いたサーシャの手拭いが手から離れ溶岩へと落ちる。
溶岩に触れるか触れないかの後に手拭いは燃え上がった。
『このままじゃ俺らも…。』
『黒焦げはイヤでござる―ッ』
再度、岩壁を向いたサーシャ。
それを見たロックはサーシャの影の中に有るものを見つけた。
『サーシャ。ちょっとこっちに避けろ』
『へ?』
『いいから早く』
言われるがまま移動するサーシャ。
ロックが見つけたものは、一見自然に出来た岩の一部に見えるが、レバーにも見える。
『迷ってる暇ねぇな。』
本来なら調べてから触るのだが、背後に迫る溶岩に意を決してその岩を引いた。
『いてッ』
ロックが岩レバーを引くとサーシャの居た場所にもう一本同じような岩レバーが現れた。
『サーシャ、それ引いてみろ』
『合点承知』
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