タール国ステラ

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ゆっくり、ゆっくりと溶岩池から何かが浮きがる。 そしてそれは、炎の魔神【イフリート】となり姿を見せた。 『人か…。我が棲みかに何か用か?』 焔を纏うその姿に圧倒される二人。 『イフリート。そなたと契約をしたいでござる』 『面白い。我を従えたいと申すか』 口火を切ったのはサーシャ。 『そなたの力が必要でござる』 『ふむ。高圧的な態度ではないようだな』 『お願いでござるよ』 『【命令】ではなく【願い】か。いいだろう。お前の人間性試させて貰う。』 『…試練…でござるな』 『精霊は付き従う者を見極めねばならぬ。試練を越えたものだけが我を従えることができる。』 『覚悟の上でござる。』 『ところで、そちらのおまえ。』
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