山道

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ガザッ....ガザッ.... 山肌から男がひとり滑り落ちてきた。 葉っぱを滑り板にして山の傾斜を滑り台にして落ちてきた。 パキパキ、小さな板が折れる音だぁ! 「おぉーっ!!」 俺はお化け屋敷で驚かされた時と同じような声をあげ自分の顔を隠すように両腕をあげて後ずさりした。 すかさず大野はその男の元へ駆け寄った。 大野は本能的に危ないと思うよりも助けなきゃと思う思考が優先してしまう男だ。 やつは車に引かれそうな人がいたら真っ先に助けて自分が犠牲になってしまう男だろう。 いまどき珍しい昭和的な奴だろう。
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