第1章 異世界王国大脱出編

2/2
前へ
/26ページ
次へ
 夕日が沈み、辺りが薄暗くなってきたそんな時のこと。 俺こと東条東雲(トウジョウシノノメ)は不審者丸出しの、なんか魔法使いが着てそうな黒いローブを着た何者かに帰り道を阻まれていた。 なんでこうなったんだろう。今日何かまずいことをしただろうか。 今日はいつも通り学校を昼から登校し、教頭のカツラ説を確かめに職員室に乱入して――真実だった――いつも通り猫に噛まれ、猫なんて大嫌いだと言いながら、明日の猫用のツナ缶をスーパーで買い、そして今に至る。 やはり特に何もない。 なのになんでこんな目に遭うんだ、と携帯を取り出し警察に連絡しようとした俺は実に常識人だと思う。 が、相手は非常識人。俺が通報しようとしていることを察したのか、こちらに手を向けると、なんとその手が急に伸びて携帯を奪い取った。 貴様悪魔の実の能力者か!などと叫びながら俺は真横に跳ぶように転がり回り、すぐに立ち上がる。 その際懐に忍ばせていた見つかったら豚箱行きな拳銃を取り出して黒ローブに向ける。 だがどうやら少し遅かったらしく、黒ローブはすぐ目の前にまで迫り、 『―――。』 そこで俺の意識は闇に飲まれていった。
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

31人が本棚に入れています
本棚に追加