一年 (side 柊)

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  楽しそうに笑いながら俺に絡むこいつは、高原徹。 小学校からずっとつるんでる、幼なじみのような存在で。 夏までは、バスケ部のキャプテンをやっていたこともあって、俺より5~10cmほど背が高く、ガタイも良い。 性格は…良く言えば男らしく、悪く言えばガサツでデリカシーがない。 底抜けに明るいから友達も多いけど、そのあまりの能天気さに時々、本当にバカなんじゃないかと思うことがあるほどだ。 「で? あのコは一体何なワケ?」 「…何もねーよ」 「あ、またアレだ、冷た~く振っちゃったんだ?」 もちろん、俺の“学校モード”を知っているから、こういう台詞が出るんだが。 ニヤニヤしながら言う徹を睨みつける。 それすら楽しいのか、徹は全く懲りずに話を続けようとする。  
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